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ベイプの基礎知識

加熱部(コイル)の素材と研究の読み方

更新日:2026年10月2日

コイルとは

コイルは、電気を流して熱を出す金属線の部分です。リキッドを含んだウィックに触れていて、ここでリキッドが温められます。素材には、ニッケルとクロムの合金(ニクロム)、鉄とクロムの合金、ステンレス鋼などが使われています。

研究でわかってきたこと

コイルを通るとリキッドの金属が増える

Olmedoら(2018年、Environmental Health Perspectives)は、使用者の機器56台を調べました。詰め替え前のリキッドより、コイルに触れたリキッドやエアロゾルのほうが、鉛やニッケル、クロムなどの金属濃度が高い傾向がありました。研究チームはコイルが主な発生源と考えていますが、鉛の出どころは不明です。

  • 資金:メリーランド州の基金、米国心臓協会、米国立環境衛生科学研究所など
  • 限界:対象は一つの地域の使用者に限られ、からだへの影響との因果関係は調べていません

素材によって溶け出す量が違う

Alcantaraら(2023年、Heliyon)は、ニクロム、ステンレス鋼、カンタルと呼ばれる合金などのコイルをリキッドに浸して比べました。溶け出す金属の量は素材によって異なり、リキッドが酸性の場合や、ニコチン塩の濃度が高い場合に増える傾向がありました。

  • 資金:カナダの研究支援機関Mitacs。著者は電子たばこ関連企業との相談関係を開示しています
  • 限界:実際の機器で加熱したのではなく、ホットプレートで加熱した実験で、エアロゾル中の金属は直接測っていません

製品ごとに素材はさまざま

Omaiyeら(2021年、PLOS ONE)は、海外で売られているポッド型の製品を分解し、コイルの素材を調べました。合金の種類は製品によって異なり、エアロゾルに移る可能性のある元素が多数見つかりました。

  • 資金:米国立薬物乱用研究所、米食品医薬品局(FDA)のたばこ製品センターなど
  • 限界:市販品の一部だけを調べたもので、偽造品は対象外です

セラミックのウィックを使った製品の分析

Pintoら(2022年、Scientific Reports)は、セラミックのウィックを使った製品の蒸気を分析し、多くの成分が測定できる下限より少なかったと報告しています。

  • 資金:たばこ会社の関連企業。著者は全員その会社の社員です
  • 限界:測定条件は一つの吸い方に限られ、最初の数十パフだけを分析しています

研究を読むときのポイント

  • 素材は結果に影響する:ただし、どの素材なら問題がない、という結論は出ていません。
  • 多くはニコチン入りの製品の研究:日本のコンビニで売られているニコチンを含まない使い捨てベイプを直接調べた研究は、ここで紹介したものにはありません。
  • 資金と著者の立場を確認する:誰が研究費を出したかは、結果の読み方に関わります。
  • 実験条件を確認する:実際の機器か、実験用の加熱かで結果は変わります。

当サイトでは、コイルの素材を理由に製品の順位をつけることはしていません。

参考資料